苅田町
苅田町は北九州市と行橋市の間に位置し、国際貿易港・苅田港と広大な臨海工業地帯が広がる自動車産業やセメント工業が盛んな町。苅田港沖には24時間運用の海上空港、北九州空港があり、苅田港・東九州自動車道苅田北九州空港インターチェンジとあわせ、陸・海・空の交通結節拠点となっています。
また、平尾台のカルスト台地に連なる国の天然記念物・青龍窟や広谷湿原があり、麓には緑豊かな田園地帯が広がっています。そして邪馬台国伝説にまつわる三角縁神獣鏡を出土した国指定の石塚山古墳や、御所山古墳をはじめとした多くの古墳が点在しています。祭りの歴史も古く、山伏の祭り・等覚寺の松会は千年、苅田山笠は五百年の伝統があります。
人口 | 37,684人(令和2年国勢調査人口) |
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面積 | 49.58km² |
URL | https://www.town.kanda.lg.jp/ |
産業 | 一次産業就業者数205人 二次産業就業者数5,831人 三次産業就業者数8,988人 |
名産 | 豊前海一粒かき、松会味噌・松会、苅田白川米、 焼酎美夜古紫 |
周辺のイベント
等覚寺の松会
毎年4月第3日曜日
毎年4月の第3日曜日に白山多賀神社境内で行われる修験道の祭礼行事です。約千年の歴史があるといわれています。子どもたちによる田植行事や、長刀舞、鉞舞などの刀行事の後、約11メートルの松柱に登って、日本刀で大幣の竹を切り落とす幣切り行事が行われますが、この行事は等覚寺にしか残っていない貴重なものです。平成10年(1998)には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
苅田山笠
10月の第1日曜日
毎年10月の第1日曜日に行われる宇原神社神幸祭は苅田山笠の名で親しまれている県指定無形民俗文化財です。山笠に提灯を飾り付けた灯山、山笠に幟を飾り付けた幟山、山笠に御殿や人形を飾り付けた岩山と、3度姿を変え、鉦や太鼓の響くなか、勇壮・華麗な山車14基が町を練り歩き、役場前広場に勢ぞろいします。
かんだ港まつり
5月
「かんだ港まつり花火大会」は昭和53年に人口が3万人を超えたことを記念して始まったお祭です。 みなさまに楽しんでいただけるよう、花火はもちろん、様々な催し物が目白押しです。 ぜひお越し下さいませ。
周辺のスポット
石塚山古墳
古墳時代前期に造られた前方後円墳でこの時代に造られた古墳では全国屈指の規模を有し、墳丘の長さは約130mと推測されます。昭和60年に国の史跡に指定されています。江戸時代に三角縁神獣鏡が出土しており現在、7面が宇原神社に所蔵されています。また、昭和62年の調査で後円部に竪穴式石槨が確認され、銅鏡片や琥珀の勾玉、冑、鏃などが出土。出土品は町の考古資料に指定され、苅田町歴史資料館に展示されています。
等覚寺の棚田
白川の山口・谷地区から山道を登っていくと、標高300メートルの位置に等覚寺の棚田があります。平成4年に農林水産省から農村景観百選に選ばれました。9月中旬には彼岸花、9月下旬にはソバの花も咲き、棚田を美しく彩ります。また、最近はコスモスも植えられています。また、松会味噌や松会漬などの特産があり、地区内の直売所で買うことができます。
青龍窟
昭和37年に国の天然記念物に指定された、全長約3km、平尾台最大規模の鍾乳洞です。昭和51年には、ナウマンゾウの頭蓋骨化石が出土しました。普智山等覚寺の奥の院として修験道の修行場になっていた歴史があります。また、洞窟内に住んでいた土蜘蛛を景行天皇が退治したという伝説や、豊玉姫の伝説が伝わっています。洞口ホールには、豊玉姫を祀る祭壇があります。(洞口ホール以外の洞内へ入る場合は、事前に届出が必要です)
松山城跡
北九州空港連絡橋の手前の標高128メートルの小山が町指定史跡松山城跡です。今は周囲を埋め立てられていますが、当時は海に突き出た半島状の要害でした。中世には周防の大内氏(のち毛利氏)と豊後の大友氏の間で城を巡る激しい攻防戦が繰り広げられ、天正15年(1587)年、黒田12万石の北端を守る支城となり、改修。城跡から出土した軒平瓦には秀吉ゆかりの「桐葉」が描かれており、黒田官兵衛との深い関連を物語っています。災害の影響で現在、一部のみ公開しています。
広谷湿原
北九州国定公園の中、青龍窟の西側にある、福岡県唯一の湿原です。鬼の唐手岩という水に溶けにくい花崗岩質の硬い岩がダムのように地下水をせき止めているため、湿原ができました。カルスト台地にある湿原は世界でも珍しく、絶滅危惧種であるトキソウやノハナショウブなどの貴重な植物が自生しています。町の天然記念物に指定されています。
高城山
山の標高は416mで南原、尾倉、新津、片島の4ルートの遊歩道が整備されており、ハイキングコースになっています。山頂はかつての山城の主郭跡です。付近からは苅田港全景が見渡せるビューポイントがあります。南原ルートの入口付近には「千本桜」と命名された桜の名所があり、春には多くの見物客で賑わいます。
御所山古墳
古墳時代中期に造られた前方後円墳で、周濠・造り出しを有するのが特徴です。墳丘の長さは約120mと推測されます。明治時代に横穴式石室内部が調査され、中国大陸や朝鮮半島との交流を読み取ることができる馬具などが出土しており、現在、宮内庁が所蔵しています。昭和11年国の史跡に指定されています。平成19年より苅田町教育委員会が整備のための調査を継続しており、埴輪などが出土しているほか、周辺に陪塚も確認されています。
周辺の名産・特産品
芋焼酎「美夜古紫」
白川地区の黒添で栽培される「パープルスイートロード」という品種の紫芋から作られる、しっとり芳醇な味わいの焼酎です。そのデザインの美しさから贈答品としても好まれます。
松会味噌・松会漬
等覚寺地区には修験道の流れを汲む味噌・漬物つくりの技術が昔より伝わっています。味噌は自然塩を用い、漬物は標高300mの冷涼な気候の下で栽培された野菜を使ってつくられたこだわりの一品です。
ホームグラウンド(ダックワーズ)
苅田の白川地区で作られた米を米粉にして生地に使い、外はパリッと、中はふんわりとしています。自動車産業が盛んな苅田にちなみ、車の形をした見た目にもかわいいお菓子です。